せっかく自由気ままにユーラシア大陸を横断できるのだから、寄り道しないともったいない!ということで、モンゴル横断後は徐々に南下して、この機会でないとなかなか訪れないであろう中央アジア圏へと突入し、近いわりにはミステリアスな「〇〇スタン」たちを走る。

一発目の国は、カザフスタン。国土面積は2724900平方キロメートルで実は世界で第9位の広さを誇り 、世界で最も広い内陸国でもある。印象としては、とにかく乾いて澄んだ空気と青空が広がり、ユーラシア大陸の真ん中にいるぜ!と深く実感。首都のAstana(アスタナ)で泊まったNOMAD 4×4 という宿は、ウランバートルのOASIS GUEST HOUSEのようにいろいろな国の人がやって来ては去り、ドイツ、チェコ、ハンガリー、ニュージーランド、アメリカ、韓国、カナダの旅人と出会い、情報交換や飲みニケーションで楽しい時間を過ごせた。

カザフスタンから先はトルクメニスタンへ入り、イランへ行くつもりだったが、トルクメニスタンのビザは非常に取りにくいので、モンゴルにいた時からカザフスタンにある「STAN tour」という会社とコンタクトをとり情報を集めていたのだが、やはり予定ルート通過は不可で、ウズベキスタンのボーダーからでないとトルクメニスタンへは入れないとの回答が。ウズベキタンビザの取得は業者を通さないと個人では難しいらしく、さらに申請時にタジキスタンのビザ(これはネットですぐ取れる)の添付が必要、、という諸々の事情から、カザフスタンを横断せずに南下して、キルギス→タジキスタン→ウズベキスタン→トルクメ二スタン→イランへと抜けるルートに変更をして、カザフスタン最大の都市である南部のアルマトイを目指すことに。

一日ではたどり着けず、日没を迎えたBalkhashという湖のそばでキャンプ。静寂と星空と朝焼けの美しさが印象的でした。

2017年9月20日 16時ごろAlmaty(アルマトイ)に着く。この街には大きなバイクショップと宿とBARが一つになった、旅するライダーには最高にありがたい『FREERIDER』という場所があることをロシアで会ったイギリス人のエディから聞いていたので、そこにチェックイン。

 

本格的なBARが併設されている

バイクショップ側の入り口

車両、ライディングギア、パーツ、ケミカルなどが手に入る。世界中のライダーたちが集う、こんな場所を日本につくれたら面白いと思わせてくれた。

21日もFREERIDERに泊まり、タジキスタンビザをネットで入手、リアタイヤの交換(日本から履いてきたDUNLOPD605はセンターだけ減りまくり約10000kmで昇天、この店にあったSHINKOE700にチェンジ)、エンジンオイルを購入した。この店は日本製バイクばかり扱っており、その信頼性の高さからか、多分ロシアでJAPANを意味する「IPONE」という、日本では見たことが無いブランドのオイルを豊富に取り揃えている。

暑いエリアに入ってきたので、今使っているモンゴルで買ったVerity10W-50クラスがほしいと思っていたところ10W-60を発見、ネーミングでジャケ買い!消耗品であるオイルやタイヤを手に入れる

アルマトイではこうして滞在を楽しみ、先に進む情報を集め、バイクのメンテなどをして、出発。先史時代の岩絵が無数に残る世界遺産の「Tamgaly(タムガリ)遺跡」を訪問後、次の国キルギスを目指した。

無数にある岩絵はほぼ野ざらしで、本当に貴重なもの以外は囲いもなく、簡単に手で触れられるからすごかった!

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世界ツーリングから帰国後の話ですが、海外ツーリング専門旅行会社に就職し、カザフスタンのオフロードツーリングツアーを企画。カスピ海東部の古代の海底が隆起してできた白い大地や、まん丸い大岩が転がる景色の中を走ったのも、今では良き思い出です。

中央アジア独特の文化を感じることができ、古代シルクロードの歴史やロマンに溢れ、果てしないスケールの無限のオフロードフィールドが広がっているカザフスタンは、異文化や旅好きな方、オフロードライディング好きな方にはおススメですよ!

 

【エピソード_4_キルギスへ続く】